Kは4日後に乗るはずのバス停を確認して、私達を見送ってくれた。
午前7時まだ薄暗い、名物ハモンの看板を見ながらの出発。アップダウン含み基本は下りのコース。
Monesterioで予約済みの宿は、うわさ通り素敵だった。中庭では先着の巡礼者がリラックスしていた。見慣れぬ日本人の私達を、温かく迎えてくれた。
ここは、父と息子が経営しているプールのある、私営アルベルゲ。台所がある。Sは料理上手の主婦(今夜は彼女のマジックハンドの料理が食べられる)。
部屋は、お姫様みたいなベッドのあるツインで、15ユーロ。
アルベルゲの並びに、8時半営業開始の郵便局があった。不要と思われる荷物を送ろうと、時間迄待つ。ところが、この日はメーデーでお休みだった。8時半、遅い出発となった。
景色、道、天気も良かった。お約束?の水たまりも何とかクリア。目的地近くの線路上を歩く。巡礼では、この線路歩きが楽しみ。日本では絶対やってはいけない行為だが、ここでは矢印が歩けと導いてくれる。そのうちこの道も無くなるかも?
居心地の良いアルベルゲだった。今迄にない事が一つあった。先の宿を予約して進んでいるのだ。安心感はあるが何が何でもそこ迄行かねばならない。もちろん今の体の状態を考えた距離ではあるが、私の好みの行動ではない。
現地に到着するとinfoが充実していて宿がたくさんある場合もあった。逆に予約を取っていて良かった事もあった。今はネットで情報が簡単に取れるが、タブレットを持参の私達には言葉の壁というリスクはあった。
この日、出発から5k歩いたLos Santos de Maimonaという町に一人でたどり着き、infoと郵便局を尋ねた。先ずinfoで明日の宿を予約してもらい、郵便局で少しの荷物を我家に送り返し少し荷物を軽くした。
とにかくこの日もZafraのホスピタリティに予約をしてもらったホテルに落ち着いた。実はこの日、ホテル迄5k位の地点で道が解らず、Sと私は別々に良い人に巡り会いホテル迄送ってもらった。唯一のヒッチハイク経験だった。
そしてホテルの巡礼メニューの夕食で、久々の栄養補給だった。
17.3k地点のAlmendralejoには宿がなく更に10.3k先のTorremejiaに宿がある。しかし、私達は疲れきっていた。そこでAlmendralejo迄バス(15分)9:10発がある事がわかり、バスを使う事に決定。バスターミナル(宿の近く)に行くと数人の巡礼者が待っていた。彼らは観光地であるMerida 迄進み観光を楽しむとの事だった。
バスでカットするとCaminoの道に戻るのに時間を費やす事が多い。又バスの到着地では巡礼宿を見つけるのに時間を費やす。楽をするとそれなりのペナルティは仕方がない事だ。そんなときは人のお情けが身に沁みる。
Camino迄は6k歩く(11.3kのカットだった)、そこには早くに出発した巡礼者が歩いていた。「何時に出発?」などの質問には思わずつばを飲み込む思いだったが、正直に「実は・・・」と説明して皆と合流する。
合流後は気分良く歩くが午後からは速度が鈍る。やっと15時近く宿に到着、この町には3つのアルベルゲがあるらしい。昨日予約している宿へ進む。
前日infoで予約して頂いた[Albergue turistico via de la plata de torremejia]は、元宮殿(多分廃墟だったろう?)を修復した公共のアルベルゲだった。ここは予約者だけが泊まれる宿だった。ヤコブ様に感謝です。
ここで、そろそろ顔なじみが出来て入口で軽く挨拶。
ドクターストップでMonesterioにいたKから、メールでMeridaへバスで向かうと連絡が来た。ホテルを予約してくれたらしい。Meridaへは、中間地点位の所迄630号線沿いを歩き、二俣を右折。
Kはターミナルから既に移動していた。携帯のショートメールで連絡を取り合い、ローマ橋で合流。元気そうなKだったが、マメの一部がまだ治りきっていないとの事で、少々心配がよぎる。
久々の再会を喜び合い、昼食後Merida市内を散策。
Meridaでは遺跡をそのまま管理しているので、観光客は昔の面影を偲びながら散策を楽しめる。ここで2泊位しても良かったかもしれない。
銀の道は矢印が少ないと覚悟していたが、思ったより多くたすかった。
世界で一番人口の多い団塊の世代・1947年生まれの好奇心いっぱいの獅子座です。
忘れた頃の5人目で、比較的自由に育ちました。生まれは熊本・小中学校時代は下関ですから育ちは下関かも知れない。存在感のない子供でした。親からも同級生からも忘れられることが多かったので、気ままにテクテク歩いたりラジオ・テレビに興じたりしていました。今の生活にそんな育ち方が反映しているかも知れません。
運動神経の悪かった私は歩きというスポーツを見つけて20年すっかりアルチュウ(歩く中毒)になっています。社会性に乏しい割にはここ10年位は旅仲間と4~10人くらいで海外旅行を楽しんでいます。