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第201回 明け方の空に注目! (2020/04/01)

はじめに

世界的に新型コロナウイルスの感染症が蔓延し、経験のない事態に遭遇している昨今ですが、星空は変わらず美しく輝いています。
不要不急の外出はさけるべきですが、星空を見ることに制限はありません。
遠出は避けて、自宅の庭やベランダから月や星を眺めてみましょう。
外出せずに自宅にこもっていると気が滅入るかもしれませんが、星空という非日常の世界を体感することによって、気持ちを晴れやかにしていただきたいと思います。
今月も星空のご案内をおこないますので、星空を楽しんでいただきたいと思います。

最大光度の明るい金星

三日月と宵の明星(金星) 2020年3月26日茨城県内で撮影

夕方の西の空を見ると、明るい一番星をみつけることができます。
宵の明星(よいのみょうじょう)と呼ばれるこの星は、金星です。
ほかの星よりも格段に明るく見え、明るさを表す等級も4月28日にはなんと-(マイナス)4.7等に達します。
星座を形づくる星々(恒星)のうち、明るい星を1等星、肉眼で見ることができる最も暗い星を6等星と定めていますが、1等星は6等星の約100倍の明るさで輝いています。
ところがこの時期の金星は、1等星のなんと190倍の明るさに見えるのです。
宵の空にキラキラと輝く金星の姿は、他の星の明るさを圧倒して輝いています。
写真にも撮ることができます。スマートホンなどでも写りますから地上の景色と一緒に撮影してみましょう。

早起きして明け方の空にも注目!

宵の空の金星もステキですが、今の時期は夜が明ける前に見られる月、惑星の集合した姿もとてもステキです。
先月にもこうした現象が見られましたが、今月は惑星の火星、木星、土星に月が加わってにぎやかに見られるのは4月15,16日の夜明け前の南東の空です。
午前3時頃に早起きして、ぜひ見てみるといいでしょう。

参考写真:2018年2月12日に見られた惑星と月の集合

ベテルギウスの明るさが戻ってきた

2月のコラムでオリオン座のベテルギウスが暗くなっていることをお伝えし、3月のコラムでは明るくなり始めたことをお伝えしましたが、3月26日に撮影した今回の写真では明るくなってきたことがはっきりわかります。
ベテルギウスは恒星の世界ではお年寄りの部類に入る星で、赤色巨星と呼ばれ、大きさは直径でいえば太陽の1000倍以上の大きい恒星です。「いつ爆発してもおかしくない」などといわれることもありますが、まだ爆発はしないようです。
今後も、ベテルギウスの様子を観察していきましょう。

2020年1月21日撮影のオリオン座上部。
ベテルギウスは右側にあるベラトリックス(2等星)と比較、暗く見えます。

2020年2月10日に撮影したオリオン座上部の写真。
ベテルギウスとベラトリックスは、ほぼ同じくらいの明るさに見えます。

2020年3月26日撮影のこの写真ではベテルギウスの方がベラトリックスよりも明るく見えます。

4月の惑星

今月の惑星の見え具合をそれぞれご案内します。
今月は金星(宵の明星)が最大光度に達し、夕方の西空に輝いていますが、木星、土星、火星は、夜明け前の南東の空にまとまって見ることができます。

水星

4月のはじめは、水星は3月24日に西方最大離角を迎えた後なので、明け方の東天低く見ることができます。
中旬以降は太陽の方向にあり、観測には不向きとなります。

金星

宵の明星として、もっとも観測の好機を迎えます。4月後半から5月上旬にかけては天体望遠鏡で見ると、まるで三日月のように細く欠けた姿で見ることができます。
明るさは-(マイナス)4.5~-4.7等級ととても明るくなり、注目の時期といえます。

火星

明け方の空に0.8等から0.4等となり、比較的明るく見られ、あかあかとして色の様子から、すぐに火星とわかります。やぎ座の中に見え、近くに土星と木星も見えますから早起きして位置を確かめてみましょう。

木星

いて座の中にあり、―2.0~-2.2等級の明るい星としてみつけやすく、天体望遠鏡で見ると、木星本体の縞模様や惑星周辺にあるガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデそしてカリスト)4星が明確にわかります。

土星

木星と近い位置にあり、火星と同じくやぎ座に位置しています。
明るさは、0.7~0.6等で、天体望遠鏡では環も確認できます。

4月の星空

4月に入りますと、冬の星座は西に傾き、春の星座が見られるようになります。
南の空では高い位置にしし座が君臨し、その南にはうみへび座が長いその姿を見せてくれます。
北東の空には北斗七星のあるおおぐま座が見えてきて春の到来を教えてくれます。
春の星座をさがすには、星座早見盤を使うか、星図を使用して明るい星から星図と本物の星空を見合わせていきます。
下図の星図も役立ちますので、クリックして画面を拡大し、プリントアウトしてご使用ください。

4月の天文情報

日 曜日 月齢 天文現象など
1 水 7.7 上弦の月 火星と土星が最接近
2 木 8.7
3 金 9.7
4 土 10.7 清明(二十四節気) 金星とプレアデス星団が最接近
5 日 11.7
6 月 12.7
7 火 13.7
8 水 14.7 満月(スーパームーン)  月が天の赤道を通過(南半球へ)  月の距離が最近
9 木 15.7
10 金 16.7
11 土 17.7
12 日 18.7
13 月 19.7
14 火 20.7 月が最南
15 水 21.7 下弦の月  月が木星と土星に最接近
16 木 22.7 月が火星に最接近
17 金 23.7
18 土 24.7
19 日 25.7 穀雨(二十四節気)
20 月 26.7 木星が西矩
21 火 27.7 月の距離が最遠  月が天の赤道を通過北半球へ
22 水 28.7 こと座流星群の極大
23 木 0.0 新月
24 金 1.0
25 土 2.0 金星東方最大離角 月が最遠 月が赤道を通過,北半球へ
26 日 3.0 土星が西矩
27 月 4.0 月が金星に最接近
28 火 5.0 金星が最大光度
29 水 6.0 昭和の日 月が最北
30 木 7.0

月齢は正午の値です

4月の星図

南の星空
4月の南の星空(背景黒)

4月の南の星空(背景黒)

4月の南の星空(背景白)

4月の南の星空(背景白)

北の星空
4月の北の星空(背景黒)

4月の北の星空(背景黒)

4月の北の星空(背景白)

4月の北の星空(背景白)

4月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の範囲によって使い分けましょう。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ11」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では副台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。