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ちあきの星空コラム

第200回 プラネタリウムで星を見る (2020/03/04)

連載200回を迎えて

このコラムもとうとう200回を数えるに至りました。
第1回は「火星超大接近!~この夏ぜひ見たい星火星~」と題して2003年8月号からスタートしました。
毎月の星空案内や天文現象さらに天体望遠鏡や天文知識に関する読み物として連載を継続してまいりました。
これからも星空に関する最新情報や楽しみ方などを皆様にお届けしたいと思いますので、よろしくお願いします。

プラネタリウムで星を見る

星空は夜、晴れていれば季節や時間によりいろんな星や星座を楽しむことができます。
星座の位置やかたち、惑星の動きなどを本物の星空同様にドームの中で投影して、まるで本物の星空のようなシミュレーションができる装置がプラネタリウムです。
全国各地に約400か所のプラネタリウムがありますが、つくばではつくばエキスポセンターが筑波研究学園都市の中心部であるつくばエクスプレスのつくば駅から至近のところにあって、多くの人々に星空の楽しみを届けてくれます。
ところで、最近はプラネタリウムも時代の流れから今まで慣れ親しんできたアナログ装置の投影機をもつプラネタリウムでもデジタル投影装置も併設し、ドーム全面を使った番組投影が盛んになってきています。
つくばエキスポセンターでは、アナログとデジタルの両面を生かした投影をめざし、多様な使い分けによって、生解説番組や番組投影などをおこなっており、お客さんを楽しませてくれています。
私も、東京都足立区にありますギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)において、多くのお客さんに天文学への興味をさそい、星空の美しさや楽しみ方を体験していただいています。
特に、雨の休日などは、お出かけ先の選択肢にプラネタリウムが選ばれ、人気の施設となっています。ぜひ、一度、お出かけになってみてください。

※ご注意 (4月1日 更新)

  • 現在、ギャラクシティまるちたいけんドームでは、この度のコロナウイルスの感染拡大に鑑みて、4月20日(月)まで休館を延長することになりました。詳しくはギャラクシティのホームページをご覧ください。なお、他のプラネタリウム館でも同様の措置が取られている場合が想定されます。事前にご確認ください。
  • つくばエキスポセンターは、3月2日(月)から4月7日(火)まで休館を延長することになりました。また、今後、さらに休館の期間が延長する可能性があります。詳しくはつくばエキスポセンターのホームページでご確認ください。

その後のベテルギウス

2月のコラムでオリオン座のベテルギウスが暗くなっていることをお伝えしましたが、2月末時点では、いくらか明るさが回復してきているといわれています。
ベテルギウス及び周辺の星を撮影してみました。1月21日撮影と2月10日撮影の写真を掲載しています。写真を見てその違いがわかりますでしょうか。じっさいの空で、ぜひベテルギウスと他の星の明るさを比較してみてください。オリオン座は冬の星座ですが、3月はまだ夕暮れ後に南西の空に見ることができます。

2020年1月21日撮影のベテルギウス付近

2020年2月10日撮影のベテルギウス付近

3月の惑星

今月の惑星の見え具合をそれぞれご案内します。
今月の見どころは夕空に輝く金星(宵の明星)です。夕暮れ時になると西の空に煌々と輝いている様子を見ることができます。当然のことながら1番星としてみつけることができます。

水星

3月24日に西方最大離角を迎え、明け方の東天で見ることができます。
明け方の東天には、以前から火星、木星それに土星が見えていますから、水星も加わるとにぎやかな明けの東天となります。

金星

宵の明星として、観察好機を迎えています。3月25日に東方最大離角を迎え、夕空の中に空高く輝いています。明るさは-(マイナス)4.3~-4.5等級と明るく、地上の景色を入れた金星の写真が撮りやすくなりますので、ぜひチャレンジしましょう。

火星

明け方の空に見られます。いて座の中にあり、土星と木星にも近い位置なので、ぜひ早起きして位置を確かめてみましょう。

木星

いて座の中にあり、―1.8~-2.0等級の明るさを誇りとてもみつけやすいことと思われます。

土星

木星と近い位置にあり、火星も接近してくるので、とてもみつけやすいといえます。星座では、いて座からやぎ座に移動していきます。

3月の星空

3月の星空は日没後、冬の星座が見られます。
冬の大三角や先月号に説明しました冬のダイヤモンドをみつけることができることでしょう。
春の星座をさがすのは、夜の遅い時刻になってからの方が天高く昇るので、みつけやすいといえます。
もうひとつ、早起きして東の空を眺め、惑星たちの位置を確認するとおもしろいでしょう。惑星がある位置は夏の星座の中で、明け方の空では、春の星座は天頂から西の空に輝き、東の空は夏の星座で埋め尽くされています。星座早見などで確認してみましょう。

3月の天文情報

曜日月齢天文現象など
6.5
7.5
8.5上弦の月
9.5
10.5啓蟄(二十四節気) 月の赤緯が最北
11.5
12.5
13.5
14.5金星と天王星が最接近
1015.5満月 月の距離が最近
1116.5月が天の赤道を通過(南半球へ)
1217.5
1318.5
1419,5
1520.5
1621.5下弦の月
1722.2月が最南
1823.5月と火星と木星が接近
1924.5月と土星が最接近
2025.5春分の日 春分(二十四節気) 火星と木星が接近
2126.5
2227.5月が水星に最接近
2328,5
2429.5新月 水星が西方最大離角
250.7金星東方最大離角 月が最遠 月が赤道を通過,北半球へ
261.7
27 2.7
28 3.7月と金星が最接近(23時48分)接近
294.7
305.7
316.7月面Xが見られる

3月の星図

南の星空

3月の南の星空(背景黒)

3月の南の星空(背景白)

北の星空

3月の北の星空(背景黒)

3月の北の星空(背景白)

3月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の範囲によって使い分けましょう。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ11」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では副台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。